3回目のミーティングは結局行われなかった。
アドバイザーとはメールのやりとりをして、資料を郵送で送ってもらったことは確認できていた。私は、インターネットで、その商品を探し出し、選べるファンド一覧と全てのファンドの過去のパフォーマンスのデータを手に入れていた。選択できるファンドに、期待通りのものはなかった。これならば、高い管理費用を払ってラップするよりも、直接運用会社から、ファンドを購入する方が、効率がいい。そんな風に、自分なりには考えていた。
思い出した、この商品は「○ーヤル・△カンディア」の発売商品である。全ての「○ーヤル・△カンディア」の商品が悪いわけではないが、このようなこともあるということを強調させていただきたい。
暫くすると、アドバイザーからの資料が届いた。私は資料をみて、彼と取り引きするのを止めることにした・・・というよりも、私のことをバカにしているようにしか思えなかった。
彼は、彼の推薦するファンドの過去の成績表のみを送ってきていた。また、文面は「毎年10%なら資金はこうなる。7%なら資金はこう増える。・・・」という、以前のいいかたの繰り返しである。
私が調べた限り、保険会社で選択できるファンドには、毎年10%のファンドなど、どこをみてもない。たまに10%をだす年もあるが、せいぜい平均で2~3%のファンドというのがましな方で、一番良かったのはMMFだった(毎年4%)。毎年7%というファンドもなかった。こんなファンドしか選択できないのに、「毎年10%ならこうなる」と説明し、あたかも「そうなりますよ」と、彼は強調している。
彼のいうことが正しいとすると、ファンドが毎年10%程度で運用されなければならない。しかしそのようなファンドは、過去の成績から見ると、選択肢には一つもない(当然これから毎年10%となるはずがない)。彼が異なる話を組み合わせて、私を誤解させ、投資させようとしているとしか考えられない。もっとひどい言い方をすれば、彼は私を騙そうとしているとしか思えなかった。
このようなファンドしかないのであれば、彼が、全てのファンドの詳細を見せたがらない理由もうなずける。彼は、私のことを考えてくれるのではなく、自分の手数料収入だけを考えていたのである。
私はメールで抗議した。
それ以降、彼から連絡がくることはなかった。
専門家を名乗る人をそのまま信用するな、という良い例であった。私は、その人を紹介してくれたファンド運用会社も信用できないと思った。
悪い手口に引っかからないようにするためにも、アドバイスの善し悪しを見分けられるように、ある程度の経験は重要であると思った。投資は自己責任ですね。
ちなみに、毎年10%程度のリターンがあるというファンドは存在します。あとはどれだけ調べて、その裏のリスクを押さえるかという問題だと思います。ヘッジファンドは、金持ち父さんの本でも、推奨されています。